鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

美月と明

美月にはホモセンサーでもついてんのかよ。
俺は聞こえないように悪態をついた。
修司と行彦と三人でかわいい下級生の男子を
捕まえて感じさせていると、必ずと言って
いいほどに美月と出くわす。

美月は担任の先生だ。
サッカーが大好きで、くそ生意気に
オーバーヘッドでシュートを決めやがる。
サッカー部の俺でもなかなか決まらないのに
しかもお前は女だろう?!
かっこいいことしてんじゃねぇや!チクショー

俺たちは男同士のセックスというものに
特別な感慨は抱いていない。
ただ、男を愛そうとは思わない。
何故なら、そんなのしんどくて仕方ないから。
男が男を感じさせて、絶頂を共有する
その上澄みの本当に透き通った甘露だけを
味わいたいだけだ。

こんなのを大人に説明するつもりはない。
分かって貰おうとも思っちゃいない。
大抵の大人は、俺たちのように
男とセックスをする少年を
性欲をもて余しているとか
女とするセックスの代償行為として
自分より小柄な少年を選んで犯すとか
そんな風に簡単に片付けたいんだから。
俺たちの気持ちがわからないなら
わからないでいいから。
見当外れな推測で決めつけないでほしい。



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美月は困った顔で俺たち三人の顔を
代わる代わる見つめる。
頭ごなしに怒られて、ヘンタイ扱いされて
運動や趣味で発散しなさいみたいな
古典的なこと言われるんだろう。
美月は口を開く。

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「なんで学校でしてたんだよ。」
ん?美月?ちょっとピントのずれた質問だな?
「見つけたら説教しなきゃなんないだろ?」
おい。お前はその切り口からの説教で
したい説教の100%が完遂できるのかよ。
「男の方がいいのか?」
美月?訊くことがどんどんずれてるぜ?
教師としての、鷺沼教諭としての仕事を
忘れていってないか?
「ひとつ、人間としての核の部分に触れるぞ
いいか?あれは合意の上だったのか?」
あ。あの一年生はわりとスキモノだったよ。
愛撫ってものの奥深さを知れば、あいつの
将来のセックスライフにもきっと役立つ。
「あたしには分かんない話だけどさ。
学校で猥褻行為は厳禁。校則ではっきりと
禁じてるだろ。それ以前の問題。」
まあ、それ言われちゃうとね。
俺たちが悪かったよ。
「それに、何事も合意の上でな。お前だって
あたしに無理矢理弄られたらいやだろう。」
俺たち三人は目を丸くした。
三人ともたぶん瞬時に自分の分身がシオシオに
萎んだところを想像しただろう。
俺たちは女とももちろんセックスする。
だが、美月となんて絶対できない。
…よく考えれば普通は男同士感じ合うなんて
美月に欲情できないのと同じ感覚だな。
「あたしはあんたらの性的嗜好のことまでは
知らん。ただ、もう中学生なんだから
回りや相手に迷惑かからないようにしろ。」

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俺はいたく納得した。
美月に抱きついて敬意を表した。
迷惑かけてすまなかった。ありがとな、美月。
ほっぺたにチュッとしてやったら美月はなんか
顔を赤くして複雑な顔をした。
なんだよ。そんな深く考えるなよ(笑)
ちょっと刺激が強かったかな。
「あたし、男扱いか?」
俺たちは一瞬動きが止まったが
美月を囲んで爆笑した。
美月が男だったら感じさせてもおもしろいかも
でもやっぱり美月じゃなあ、と頭で色んな所を
ぐるぐる回り結局おかしくて大笑いした。

土曜日の放課後。職員行事で部活がなかった。
ボチボチ帰ろうかなと思ったが
仲間とちょいとサッカーして遊んでから
帰ろうと言う話になった。遊びのサッカーは
久しぶりだ。いつもは部活でギリギリまで
追い込んだ気持ちでボールを追っている。
おふざけであの右からのシュートをやって
みようかな。俺はウキウキした頭でふと
思い付いた。美月とパスでゴール前まで
上がって決めてみたいな。
あいつ足早いし楽しそうだ。
代わりばんこにアシストして。
美月まだいるかな。
呼んでこよう。


準備室に美月はいた。
チラッと見えたのは、美月のシルエットだった
はずだ。そのはずだ。なのに。
甘い声が、聞こえる。

あ。あん。
少し触れただけじゃないか。
あん。だめ。んもう。してあげないよ。
ごめんごめん。
ほら。じっとして。
ん、んあう。美月ぃ。
いやあん。亮、おっきいよう。
うふふ。美月が上手いからさ。

なんだよ。俺たちには学校で猥褻行為すんな
とか言っといて!大人はいいのかよ!
ていうかなんだよ美月がメスみたいに!
そんなんやだ!美月のバカ!
俺は思いっきりドアを開けて乱入した。



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「おや?明。まだいたのか?」
美月は見知らぬ同年代の男に膝枕をして
耳掃除をしていた。
おっきい、て。
美月が上手いからさ、て。
耳垢あ?

「こいつはうちの高校のOB。」
美月はなんだかはっきり言わない。
「やあ。美月とはその頃からつき合って
るんだ。よろしく。」
彼氏の方が聞きたいことに答えてくれた。
お似合い。なんか、彼氏と並ぶとかわいくなる
美月を見ていて、ちょっぴり寂しくなった。

俺は、部屋にきたかおるに
ぼんてんをぱふぱふつけた耳掻きを差し出して
おねだりした。
耳掃除と言う行為がなかなかにセクシーだった
ことを発見するのだが、あれを知っていて
学校でやっていた美月と彼氏は確信犯だなと
思う。美月はあの男に何度となく犯されて
女の悦びを味わっているはずだ。
男なんか知らないような顔してたくせに。
しばらく俺は妙に興奮してしまって
美月と目が合わせられなかった。
ギャップ萌えか?それも違うよな。