鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

歩と朱美 永遠の契 ※R18

公衆の面前での行為は御法度だ。
なんて罪かはよくわかんないが
見つかればお巡りさんに怒られる
ぐらいは覚悟しなければならない。

それ以前に、人に見られるのは
恥ずかしい行為のはずなのだが。

歩はとにかくどこででもヤリたがる。
だから朱美はきちんとベッドで出来るとき
ああ、人として扱われていると
憲法で保証された人権にまで思いを馳せる。


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公園ではベンチで背面座位は当たり前で。
マックでポテトをつまみながら
なんてときもあるし
基本座れるものがあればやる。
電車の連結幌なんか今はもうあまりないが
あの空間を見つければ立ちエッチは絶対
やったし、あのゆらゆら感がたまらない。
とか朱美も嵌まりかけて苦労した。
あたしもこの人といるかぎり変態ちっくな
プレイから離れられないのかなと心配になった。


実は歩はそんなに性欲魔神というわけではない。
自分が射精出来なくても
わりとそこには頓着しないのだ。
要するに女がいやらしい気持ちになり
理性をねじ伏せられるように
淫らな行為に溺れ行くまでを楽しんでいる
だけなのだ。

バイブを入れられて街を歩かされるような
ことも一度や二度ではない。
恥丘にローターを貼り付けられて
下ごしらえだと言われたときには
張り倒そうかと思ったが
大学のときはそのまま2つ続けて講義を
受けさせられた。
隣に座る歩はそっと横から手を入れてきて
指マンを開始する。
朱美はよがり声が漏れるのを咳払いで
誤魔化し、講師に二度注意された。
みんな多分わかっていた。
ローターの音は静かな教室では筒抜けだったし
濡れた音も耳をそばだてれば聞こえたかも
しれない。なんせ歩がいじくりまわして
いるので、くぷくちゅと淫乱極まりない音が
しているのだ。

「もういいかげんにしてよっ!」
と、強気に出ようとしてたのに
いざ歩にキスされたりすると
「あん、もう堪忍してえ。」
なんて吐息混じりに囁いてしまう。
日本語ってほんと難しい。
おんなじ内容言ってるつもりなのに
まったく真逆の意思表示になっちゃうんだから。

「だから俺はオナニーなんてあんまりしない」
歩は一度挿入れれば抜かずの二、三発
やってのけるから、いざというときのために
溜め込んでいるのかな。
「ねえ。歩?フェラしたげようか?」
「いいよ。なら、挿入れる。」
歩が快感をもて余して色っぽい顔をした所を
朱美はあまり見たことがなかった。

「あたしが感じさせられてる間、にやにやしながら
見てるのよね。楽しそうに。
あたしも歩を感じさせて、それを眺めてみたい
喘ぐ声とか聞いてみたいわ。」

「それなら、男一人混ぜるか?俺が感じさせられて
あへあへいっちゃうなんて男にヤられたとき
くらいしか覚えがねえよ。」

は?
朱美は絶句した。

「3Pってこと?!イヤよあたし!
その混ぜた男があたしにも手を出さないとは
限らないじゃない!歩はいいの?」

歩はしばらく考え込んでいきなり朱美に
キスをした。胸をわしづかみにして揉み回す。
「だめだな。」

こんな風にやきもちをやくときも結構多い。
そう。この鬼畜はどこでもセックスを始め
誰とでもセックスをし、異常なくらいに
やきもちをやく男なのである。


歩は毎日のように、まるで軽い挨拶でもする
かのように朱美に挿入れていく。
朱美は毎日相も変わらずキモチイイし
このキモチよさは歩としか味わえないと思う。
お互いに実家を出た23のとき。
一つの部屋で暮らし始めた。
きっと歩は便利だろうし
朱美は家賃が半分になるし、くらいに
思うように自分に厳しく言い聞かせた。
期待なんかしたら悲しい。
今だって他のどんな女とどれ程浮気してるか
わからない。






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「朱美。指輪のサイズは何号だ?」
ある日不機嫌そうに歩が言った。
ゆびわの三文字で朱美は胸が詰まるほど
ときめいて、自動的に濡れた。
ずっと昔から歩には支配されてきた。
お前は俺のオンナだ。ずっとな。
こう言われて飼い慣らされてきた。
二人でいるときは幸せだった。
朱美はもう、他のことは考えないことにした。
ふたりきりのときに、歩は浮気をしないのだから。
その「ずっと」が「永遠に」に変わるのだ。

「8、号よ。どう、して?」
「結婚しろ」
「歩ぅん。」
「俺の子どもを生め。」
今までのどんな言葉責めよりも感じた。

24歳でふたりは夫婦となる。
正直、今までと何が違うのか
歩が浮気をやめるとは到底思えない。
ならばこんな法的な足枷となる契約を結ぶのは
どうしてなのだろう。

「朱美との子どもが欲しいからだよ。」

朱美はすぐに妊娠した。
もし自分がなかなか妊娠出来なかったら
捨てられるんじゃないかととても不安だった。
一人目は女の子
二人目は男の子
三人目と四人目は双子の兄妹と
トントン拍子に子どもを授かった。
嬉しいのは、子どもができてからは
歩が夜に、ちゃんと家に帰ってくるように
なったことである。
だが、歩は仕事柄外回りも多いので
たぶん昼間、外で大胆な浮気をしているのだろう。
朱美は考えないように努めた。

長女が来春中学生になる。
自分達の母校に進学させることにした歩は
ある人物に挨拶に行くことにしたのだった。