鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

愛してる ※R18

渉は彼女の美瑛を愛している。

真っ直ぐに自分を愛してくれるあいつを
俺も愛している。
ずっと昔から。
ガキの頃から。
物心ついたときには
美瑛は俺の側で俺だけを見ていた。
瞳を潤ませて見上げる。頬を桜色に染めて。



こうして長いこと俺たちは愛し合ってる。






「俺は、何でお前と会ってんのかな。」
渉は自分の中で説明のつかない
辻褄の合わない気持ちを浅海に丸投げした。

「あたしが呼ぶからじゃない?」
浅海は休みの日に渉を家に呼ぶ。

「お前、旦那には何で言ってんだよ。」
「え?教え子を家に呼ぶの、なんか悪い?」
あんまりにもしれっと答えた浅海に多少
腹立たしい思いがわく。

「厳密に言うと教え子じゃねえし!
それにその教え子は男子でハグしたり
耳にキスしたり、大好きよなんて囁いてる
ってバレたら旦那もキレるだろ?」
「当たり前じゃない。」
「旦那とはうまくいってんのか?倦怠期の
つまみ食いとかいうんなら勘弁だぜ。」

渉は正直、浅海の気持ちを掴みかねている。
浅海は自分に惚れているといい
ギリギリのボディタッチやあらゆる話術で
甘やかしてくれる。
いつも耳元で大好きよと、体の芯までとろける
ような言葉をくれる。
渉は、何度浅海を抱こうと思ったかわからない。
だって。俺を好きなんだろ?
こんなに誘っておいて、受け入れないなんて
おかしな話じゃん。
でも、こいつには旦那がいる。
旦那と上手く行ってないから俺を好きに
なったのか?じゃあ、さっさと別れろよ。
二人とも好きだなんて。
意味わかんねえ。

「旦那とは上手く行ってるわよ、もちろん。」
「へ、へえ。そうなんだ。じゃあ俺のことは
からかって遊んでるだけなんだ。」
「そっか。渉にはわかんないか。」
浅海は渉の右から肩に体を預けるように
しなだれかかった。
渉は胸がぎゅうっと苦しくなって
腕を回して浅海の腰を抱いた。

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「ねえ。あたしの体だけ抱きたい?」
「俺は。」
「じゃあ、あたしじゃなくても、いいでしょ。」
「いや、俺は。」
「男の子はオッケーサインを出してあげれば
誰とだってセックス出来ると思うわ。
それを邪魔するのは、好きってキモチよ。」
「好き?」
「どこかに誰かを好きってキモチがあると
本能のまんまにはいかなくなるの。」

「あんたはあたしを好きでなくても構わない。
あたしは美瑛を好きな、毎日を渉として
頑張ってるあんたを好きなの。
抱かれたいくらいに。あんたはあたしに嫌悪感
を抱かないくらいでいて。こうして触れさせて。
お願いよ。」
「俺、好きだよ。どうしてだ?浅海のことも
大好きだ。こんなこと、あっちゃいけない。」
「んふ。ありがとう。でももう口にしなくて
いいわ。あんたは考えなくても良いことよ。」
浅海は渉の後ろめたいキモチごと包み込んで
耳にキスをして封印した。
いいのよ。あたしがあんたを大好きなだけ。
あんたはなんにも考えなくて良い。


渉は自分と浅海の関係を誰にも話さない。
いや、話そうとしても話せない。
何にも例えようがない。
不倫?浮気相手?間男とか。
この二人で触れているときの苦しさと切なさを
咎められるなら、俺は罪人なんだろう。
浅海は俺と美瑛が愛し合ってることすら
一緒に飲み込んで大好きだというのだ。
俺には、そこまでの覚悟はない。

渉はふと、こんなキモチを分かるほどの
経験豊富な人が身内にいないか考えた。

相手の恋人のことすら一緒に思う。
嫉妬も起きないのか、それさえ想いに変わるのか
そんな恋を経験している、誰かいないか。

「あ。」

そこで渉が思い当たったのは。







「賞平くんて、うちのお袋に惚れてたんだろ?」
自分よりだいぶ背の高い担任教師に
渉はニヤニヤ冷やかす振りで話を投げる。
自然と上目使いになり自分でもやらしいなと
思ったが、ふざけた話題にするには丁度良い
と思った。
「今だって惚れてるぜ。」
賞平は鮮やかに笑って渉を黙らせる。
「なにいってんだよ。美雪さんがいるだろ?」
渉は17年間の人生の中で築き上げた常識を
振りかざして、思わず反論する。
「美雪のことは愛してるしあいつが一番だ。
それは勿論だよ。でも美月って女にも男として
惚れてるよ。あいつはすごくいい女だ。」
「それ、美雪さん怒るだろ。」
「そうだね。すっげえやきもちやくよ。
またそれをねじ伏せて寝技に持ち込んで黙らせる
それが気持ちいい。たまらんよ?」
うわあ。こんなの真似できねえ。
渉が食傷気味な表情をしていると
賞平が今度は突っ込んできた。

「お前は何が聞きたかったんだ?」
「いや、その。」
「恋のお悩みかね?」
「いや、違うって。」
「そうか。まあ、美瑛とのことは心配してないが
それだけにそんな話振るところが気にかかる。」
「何でもねえ。」
「あ、そ。ま、いいけどな。」



賞平が「今だって惚れてるぜ」と言ったとき
感じたものは、いつも渉に向けられる
浅海の「大好きよ」とは似て非なるものだ。
賞平と美月が二人きりになればもっと
濃厚な気持ちが満ちて胸を締め付けられる
ような思いで時を共有することもあるのか。
渉はそれ以上は想像できなかった。
未だに美月が女であることを認めたくない
亮と愛し合ってることさえも受け入れられない
渉が、賞平とのことに思い至らせるのは
無理なことなのだった。




「どうしたの?渉。元気ないよ。」
自分の部屋で美瑛のセーラー服のスカーフを
しゅるりと外した。この音が渉は好きだった。
セーラーの上着を捲り上げるとすぐに胸の
谷間がくっきりとして渉を誘い込む。
いつものように軽くキスをして、フロントホック
を外してやる。たわわな乳房が嬉しそうに
はしゃいで渉の方へ飛び出してくる。

「美瑛。可愛い。愛してるよ。」
そりゃあ、こうして美瑛と愛し合ってるのが
一番しっくりくる。
どうしてやったら感じるのかわかる。
わざと的を外して焦らす術も知り尽くしてる。
自分のぺニスがいつも掻き回すのは
美瑛の性器だ。もう、自分のぺニスの形に
誂えられたようにはまりこむ。
「あ、や、やんっやんっ!あはあんっ!」
相変わらずキモチよさげに感じている美瑛
そんなよがる声まで渉には快感だ。

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たまに、やったことのない体位を試して。
角度がハマると美瑛がたまらなくいやらしい
顔になり乳房を弾ませて感じ始める。
「や、いやっいやあんっ!」
「いや?」
「あんっ!あ、いやじゃ、ない、ん、んあん!」
「んふふ。」
「あ、ああ!ひあああん!ふぁぁっ!」
美瑛のよがる声は可愛くてエッチで最高だ。

アナルパールは去年から使い始めた。
たまにアナルセックスもするが
キツすぎて渉が持たないのだ。
アナルには二人とも同じように興味があった。
お互いをアブノーマルと責めることがなかった
のも嬉しかった。
美瑛はアナルパールを仕込んで抜き差ししてやると
すぐに感じ始める。
ゆっくりと珠を行き来させてやる。
「あんっあんあんっああんっ!」
珠の動きに声が上がる。
美瑛のヴァギナはとろとろになる。
「ああん渉ぅ早く来てぇ!」
熱くとろけた美瑛の中に入って動くと
暫くして絶頂に達する。美瑛がひくひくと
とろけた蜜壺を波打たせる。
ぴちゅくちゅと音をたてる。
「あ、ひぁっあふぅんっ!!」
美瑛はどこかへ飛び出して行ってしまいそうな
くらいに体を弾けさせて悶え苦しむ。
快感に自分を保てないほどになる。
それでも渉はぺニスを美瑛から抜かない。
そこからまた激しく奥へ突きまくると
美瑛はまた絶頂に登り詰める。
「ハアアッああ!クハァンッ!」
普段あまり出さないような声で叫ぶ。
渉はそんな美瑛の中で果てる。
抱き合って、荒くなった呼吸を感じあう。

セックスはこの上なく充実している。
幼い頃から真っ直ぐなキモチをもらって
甘く誘われて、性欲をふたり暖めてきた。
なんの障害もない。




渉はどこかで、抱きたいのに抱けない
簡単には抱かせてくれないだろう浅海に
惹かれている。上手くいかないから、だ。
「好きってキモチがあると、本能のまんまには
いかなくなるの。」
どことどこに、好きってキモチがあるのか。

渉はもう考えるのをやめてしまった。













相変わらず、浅海のお手製のケーキを食べて
紅茶を味わったあと膝枕でまったりする。
「渉ぅ。だいすきよ。」
いつものように浅海は自分の髪を撫でて
甘くささやく。

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渉は体を起こして浅海の耳をやさしくくわえる。
ひと舐めしたあと、チュッと音をたてて
キスしてやる。
「大好きだ。」
「きゃあん!」
浅海の感じてあげた声が可愛らしくて
渉は本当に彼女を愛しく思った。
きっとこいつは俺と寝たなら
毎晩泣くだろう。
切なくて、逆に強くならなくちゃって
毎晩泣くだろう。
可愛いよ。


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「渉ぅ。ありがと。」
浅海は初めて渉の胸の中でちょっぴり泣いた。