鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

大人のオトコ ※R18

「二十歳おめでとう。」
浅海はわざと渉の誕生日を数日外して
彼を部屋に招いた。
当日は当然、彼女の美瑛とデートだ。
それをわかっている浅海はきちんと
渉の体が空くのをまってくれる。

休日の真っ昼間からシャンパンをあける。

渉は勝手に思い込んでいたのだが
浅海は多分いくら飲んでもケロッとして
頬を赤くすればめっけもん、くらいな
酒豪なのだと勘違いをしていた。

渉自身は美月の血が流れているからだろう
酒は好きだが、酔わない体質だ。
卓も同じである。
家族で一番酒に弱く何かあればすぐ酔い崩れる
厄介なやつが亮となるのだが。
普通に考えれば亮だってそこそこイケる口だ。
一家の大黒柱としての威厳までも損ね兼ねない
失態はいつだって酒がらみだが。
いかんせん、妻や息子たちが強すぎるのだ。

浅海と渉はシャンパンのグラスを軽く合わせて
微笑み合う。
渉の彼女である美瑛は亮よりは強いが
やはり渉より先にほろ酔いになる。
もう、かなり色っぽくなるので酒なんぞ
飲んでいる場合ではなくなるのだ。
浅海はどれほど飲んだらほろ酔いになって
くれるのだろう。
渉は、浅海が酔ったらおっぱいくらいは
揉んでやろうと思っている。
キスくらいはしてやろうと思っている。
あっさりとした顔立ちのわりに、浅海の唇は
渉の好みの小振りでぷっくりとした艶のある
唇だ。正直耳にキスしてくるくせになぜ
唇にはしないか渉にはわからなかった。
感じさせてやる。
もしその気になったなら
成人記念に一発くらいセックスしちゃおう。
どんな声を出すのだろうか。
自分のぺニスに満足して喘ぐ様を想像する。
ぞくぞくした。
渉は、驚きの下心でジュース同然のシャンパンを
飲み干した。

「わたる。」
あれ?
浅海はシャンパン一杯で目があぐらをかいて
しまった。
「わたる!」
「はい?!」
「セックスして。」
「はあ?!」

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渉は、あれだけヤル気満々の下心を膨らませて
いたくせに浅海が酔っぱらって迫っていくと
手が出せなかった。
「お願い。抱いて。」
浅海は服を片っ端から脱ぎ始め、そこらじゅうに
散らかしていく。
見事な裸体が自分に抱きついてきた。

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「ずっと抱いてほしかったの。我慢してたの。
でも限界よ。渉。愛してるわ。いいオトコ。
あーん!メチャクチャにしてほしいの!」
浅海は言いたいことだけ言い終えると
安らかな寝息を立てて、渉の胸で眠った。






これが酔った勢いなのは十分承知だ。
やっちまうか。
でも、浅海がこの経緯を起きた後に記憶して
いるのかも保証はない。なんにも覚えてない
なんてことになったら。
せっかく抱いてもそれが思い出にもならないのは
寂しいなと思った。
渉は、浅海を揺すって必死に問いかける。
「なあ。抱いてやるよ。セックスしよう。
起きてくんなきゃつまんないよ。」
浅海は目を覚ます様子はなかった。

渉は彼女を抱いて寝室に入る。
ベッドが2つ並んでいて、カバーが
ブルーとピンクだったので彼女のベッドと
思われるピンクの方にその裸体を横たえた。
風邪を引かぬように布団をかける。

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「まったく。可愛いよ、おまえは。」
渉は浅海の唇にゆっくりと自分の唇を押し当てる。
気持ちよく触れた彼女の唇は微かに動いたが
深い眠りに落ちたまま天使の寝息で応えるのみ
だった。
「くそ。つまんねえ。」





その日の夜。メールがきた。

ごめん!!あたしいつの間に酔いつぶれたっけ

やはり、覚えていない。

渉は返信する。

可愛い寝顔をごちそうさま。

キスのことは秘密にした。





「あたし、誘惑しちゃったでしょ。」
しばらくして、浅海はあの日のことに触れる。
本当に覚えていないんだ。渉は何だか楽しく
なってしまう。シャンパングラス一杯でこんなに
自分をなくしちゃうなんて。
きっと浅海の駆け引きや旦那や家庭や他のこと
何にも足さない本音が素直に出てくる。
あんなちょっぴりのお酒で。
可愛いよ。やっぱり。
「誘惑って?」
渉はとぼけてみる。
あれは誘惑というよりお願いだ。
まあお願いされても出来なかった。
何より浅海が寝崩れてしまったからだが。
誘惑なんかされなくたって、少しくらい
酔ってガードがゆるくなったら
襲おうと思ったんだけどね。
眠って反応しなくなったオンナがこんなに
つまらないものだったなんてな。
渉は無駄と分かりながら手を伸ばす。
「あん。」
そうだ、この声だ。
感じてくれなきゃ、触れてる意味がない。え?
渉はたやすく触れることのできた浅海の乳房を
やさしく揉みほぐしながら驚く。
「あれ?いいの?」
「あ、ああんっ!だ、だめ。ん、んっ。」
何より感じてしまう自分に必死に抗う浅海。
「はあぁん!ダメッ!」

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渉は服の上から乳首を弄ってやる。
「い、いやぁ、あ、あはあああんっ!」
つらそうに感じる浅海。
「いれてやろうか。」
「いや、ダメよぅ。欲しいの、でもだめ!」
渉が耳を舐めてやると浅海は体を反り返して
感じている。
「無理するなよ。一度でいいから。しよう。」
「渉ぅ。はあ、はあん!」


渉のスマホが鳴った。
いきり立った渉のぺニスを浅海がうっとりと
してくちづけようとしたときだった。

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美瑛だ。
「あ、渉ぅ?バイト終わったの。今から会えない?」
明るく屈託のない声が隣にいる浅海にも
漏れ聞こえてくる。
「あ、ああ。わかった。うん。」
渉はスマホを鞄に突っ込む。
浅海を抱き締めて尚も続きをしようとしたが
もう浅海の目はいつもの表情だ。
「あたしは、彼女を大事にしてる男が好き。」
「無理しやがって。」






「あたしもまだまだだわ。あんなその場の
雰囲気に流されるなんて。」

あれから一年以上が経つ。
浅海とのデートは何でも言い合えて
渉のストレス解消にもなる。
「そんな考え方、相変わらずね。素敵よ。」
美瑛とは違い、友達との話や大学での人間関係
まで掘り下げて語っても浅海はきちんと聞いて
くれる。このオンナは自分にはとろとろに甘いが
なかなかどうして、辛口な男勝りなポリシーを
持っている。
話をしていて楽しい。これは出会った頃からだ。

今は月に一度くらいの頻度で会う。
大抵、浅海が車を飛ばしてきて
目立たない場所から渉をピックアップ
そのまま遠出をする。
よく浅海が勝手に車をラブホに入れる。
そこで何もしない純粋休憩をして
またドライブに戻るのだ。

何にもしない。
最近、それももったいないと思ったり。
「キス、しようよ。」
少し甘えて浅海に擦り寄ってみた。
「お前の唇はキモチイイ。」
「え?」
「お前が酔っぱらった日、あったろ?
あの時触れるだけのキスをした。」
「マジでっ?!」
浅海は驚いていた。今さらだなあ。
渉は指で浅海の可愛らしいぷっくりとした唇を
愛しげにつつき始めた。
「キス、していい?」

「やらしい。なんてやらしいキスしやがる。」
眠っていたあの唇からは想像もつかない
自分の唇を食べるように、キスで感じる全ての
快感を余すことなく味わえるようなものだった。

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「これでセックスしないなんて珍しいわ。」
「ならしようよ!」
もう渉はもちろん臨戦態勢だ。
「セックスしたら。もう会えなくなるよ?」
渉は泣きそうな顔をした。
そんなの嫌だな。
「んふ。渉はあたしにとってただの浮気相手
なんて下らない存在じゃないんだもん。
会えなくなるようなことはしたくないの。」
まあ、今の時点でも咎められる筋には
咎められるはずなんだが。
「そろそろ帰ろうか。」
二人はセックス後のカップルのように
寄り添って部屋を出た。