鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

別れても好きな人

渉が美瑛と別れてから二週間。

渉からは誰にも言わなかった。
言いふらして回ることではなかったし
日常に不自由はなかった。
これが高校のときとか、同じクラスだったり
したらこうは行かなかっただろう。
あんまりあっけなく終わったから
渉は正直なところ拍子抜けしている。

その日の夜にでも、美瑛の父である
忍が乗り込んできて自分をボコボコにする
かと思ったが、そんなこともない。

もう美瑛は笑っているだろうか。
そんなことを考える。
都合のいい話だ。
あいつには、幸せにいてほしい。
自分のことなど忘れて。
もっと美瑛にはふさわしいやさしい男が
きっと現れる。そう願った。
多分、自分の後ろめたさを掻き消したいだけだ
そんな風にひねくれた見方をするもう一人の
自分がいる。


「渉。美瑛と別れたの?」
双子の弟は、ほぼ自分たちと同時期に
同じように幼馴染みの鈴とつきあい始めた。
こいつらは、上手く行っているみたいだ。
「ん。別に内緒にしとくつもりはなかった。
わざわざ言うことでもないかと思ってさ。」
「何で別れたか聞いていい?」
「俺に他に女ができた。」
「えっ?!」

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卓は本当に顔面から各パーツが転げ落ちそうな
ほどに唖然とした表情を見せる。
「大学、の?それとも、バイト先?」
「いや、両方違う。」
その先はまだ卓にも話したくなかった。
「そっか。」
卓は気まずそうに目を泳がせた。
「俺は、ずっと鈴とつき合ってきてさ。
今のところ、ややこしいことにはなってないし
別れるのとか経験ないから。良くは分からない。
意外だなとは思ったけど。」
渉はいつにも増して言葉を選びながら慎重に
話す卓を黙って見つめる。
頭ごなしに罵倒するようなタイプではないが
今回のことではこいつに殴られるのも覚悟は
していたのだ。
「でも忍さんが怒鳴り込んでこないな。変だ。」
卓の言う通りだと渉も思った。何故。
「逆に殴られた方が、渉も救われるだろ?」
「そうだな。」
確かにそうだ。根掘り葉掘り聞かずに
軽口を叩いてくれる、卓が渉には有り難かった。

双子の兄弟が渉の部屋で話し込んでいると
ドアのノックの音が三回響いた。
「渉さあ。ちょっといい?」
美月だ。部屋にまで来て声をかけてくるのは
最近そうそうないことだ。何かあったのか。
卓がドアをあける。美月は心配そうな表情で
真っ直ぐ渉の前に歩いてきた。

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「美瑛の様子がおかしいって。瑛子から
何か知らないかって訊かれたんだけど。
渉、なんか知らない?」
渉は顔色を無くしてうつ向き、
卓も申し訳なさそうに目線をそらした。
「なんか、あったんだ。あんたたち。」
「俺が悪いんだ。俺が美瑛を振った。」
美月は言葉を失った。
「美瑛の様子がおかしいって、どんな風に?」
卓が冷静に話を促した。
「食事を摂らないって。大学にも行かずに
部屋に閉じ籠もってるらしいんだ。」
最悪な結果になってしまった。

美月は自分のケータイから瑛子に電話をかける。
「そうだったのかい。あの娘、悲劇のヒロイン
気取りやがって!とっちめてやらなきゃ!」
「瑛子!待ってよ!これはうちの渉が悪いんだ
美瑛はなんにも悪くないから!」
「だいたいそんな大事なこと言わずにいたって
ところが腹立つじゃないか!」
「忍がボコボコにしに行くと思ったからじゃ。」
「…なるほどね。それにしたってバカ娘には
変わりないよっ!!」
「え、瑛子ぉ!」
電話は切れた。

「なんか瑛子が怒っちゃってる!」
「どうせ殴られるなら、自分から行くよ。」
渉は立ち上がり、出掛ける用意をはじめる。
「いや、瑛子は内緒にしてた美瑛に怒って
るんだよね。あんな方向に火が着くとは
思わなかったよ。あーもう!美瑛が心配だから
母さん行ってくるよ!」
「俺がいくからいいよ!」
「渉が行けば瑛子はともかく、忍に殺られる。」
「それでもいいよ!!俺が悪いんだから!」
一歩も引かない渉を見て美月も諦めたようだ。
「あんたが死ぬ前にはドクターストップ
かけてやるから。安心しな。」
「頼んだ。」

美瑛の家の呼び鈴を鳴らすと、玄関から出てきた
のは忍だった。
「何のつもりですか。」
「いや、瑛子が美瑛を叱るようなこと
言ってたから。気になって。」
「あなた方のことはしばらく出禁にします。
落ち着くまでは、美月さんにも来てほしく
ない。お願いですから、そっとしておいて
ください。」

家の中から美瑛の声がする。
「駄目なの!忘れなきゃいけないのに
忘れられないの!!」
渉は鳩尾をナイフで刺されたような痛みを
感じて息苦しくなる。

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「このバカ娘!そんなこと考えてたのかい。
忘れられるわけないだろう。」
「ママ…」
「好きなんだろ。別に好きでいるまでは
自由なんだから。会えなくったって好きで
ずっと思い続けていればいい。」
「ママ…あたし」
「気のすむまで、好きでいていいの。誰にも
迷惑はかけないんだからね。」

忍は初めて口元をゆるめて美月に言った。
「瑛子とは長いつき合いなのに、なんの心配
ですか。うちのに任しといて下さい。」
「違いない。済まなかった。」
忍はまた口元を引き締めて渉を見る。
「一発でいいよ。殴らせろ。それで忘れてやる。」


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「だいぶ手加減してくれたと思うよ。」
渉はまだ足元が覚束ない。

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渉の左頬は腫れ上がり口の中は切れて赤黒い。
「でも意外だったよ。あんたが他の女の子に
なんてね。どこで知り合ったの?」
渉は黙りこむ。美月は答えてもらおうとも
思っていなかったので、もう晩のおかずの
話でもしようかと渉を見た。
「蒲生先生だよ。」
「え。何が?」
「俺の新しい女。」
「?」
「もう離婚したから、蒲生先生じゃないか。
浅海は。村雨先生。」
美月は驚きすぎて右足と左足を出す順番が
わからなくなって歩く足取りがもつれて
しまった。よろけて倒れそうになったところを
渉に支えられる。

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「大丈夫か?気をつけろ。」
「や、いや。わ、わた、」
「息子の名前くらいちゃんと呼べよ。」
「村雨さんて言ったら、彼女はもう38…」
「年齢なんか関係ないよ。」
美月には浅海のことを語るときの渉の顔が
とても大人びて見えた。今まで見たこともない
表情をしている。
「そう。そうだね。なんか見ててわかる。
あんた、今、イイ顔してるよ。」
「こんな殴られて歪んだ顔がかよ。」
美月は笑った。あんただって殴ってもらって
胸のつかえが少しは取れたろ?と図星をついた。

突然の告白

お引っ越しすることになりました。




渉の元に、浅海から
いつもとすこし違うメールが届いた。

引っ越し先の住所は彼女の勤め先
久田学園附属第二中学校の市内だった。
隣街といったところで、今までのお互いの
距離感からは、さほどの違いはない。

その書き添えられた新住所の最後に
改めて署名がある。

村雨浅海
















心臓に雷が落ちたかと思った。
息が止まるかと思った。
いや、もしかすると数分止まったかもしれない。
そのあと心臓が全力で体中に血液を激しく
送り込み始めた。ドキドキどころではなく
ダンダンとこれ以上打てないほどに脈打つ。

なんだよ、これは。

渉はメールに返信を打つ。


どういうことなんだ?!
ちゃんと説明しろよ!








すぐに返事が来た。

明日引っ越すから。
明後日以降新居に来てくれる?

明日は木曜日だ。
平日に学校を休んでまで
急いで引っ越すなんて。

村雨とは浅海の旧姓だ。

離婚、か。

あいつ、旦那とは上手くいってるって
言ってたのに。

俺のせいか。
俺はこのままでいいのか。

確かに最近、お互いのバイトが忙しくて
美瑛とはすれ違うことが多くなった。
時間がとれなくてしばらく会えなくても
あまり残念に思っていない自分がいる。
美瑛のことは好きだ。愛してる。
彼女がくれたものは計り知れない。
幼い頃からずっとそばで、暖かな気持ちを
くれていた美瑛を、愛してる、はずだ。

何だか、自分の気持ちに自信が持てない。

七年間、浅海に甘えながらも
美瑛と恋人関係を続けてきた。
浅海は美瑛を想う自分を愛していると
すべてを包むようにしてくれるのだ。
ずっと渉は二人の女を愛していたのだ。
数ヶ月前に、初めて浅海とキスをした。
あれからもキス止まりだが
渉は浅海に会うたびに犯したくなる。
浅海とずっと一緒にいたい。
そんな気持ちを鎮めるのに苦労する。


「こんなにすぐ来るなんて思わなかった。」
浅海が引っ越しをした日の翌日、渉は彼女を
訪ねた。小綺麗な2DKのアパートだった。
部屋の中はまだ段ボールが片付いていない。
慣れない空気の流れるよそよそしい感じだ。
「ご覧の通り、バツイチ女の一人暮らし。」
「俺のせいか。」
「そんなんじゃないわ。」
「本当か?」
「本当よ!」
渉は浅海の瞳に涙が溢れ出すのを
ただ見詰めていた。
「あたしたち。ずっと子どもが出来なくて。
まあ、一番の原因はそれ。あとはあたしが
アイツに従順じゃなかったのが悪いのよ。」
浅海は露骨に渉から顔を背ける。
「仕事で出張の多いアイツはあたしに仕事を
辞めて一緒に来て欲しいっていつも言ってた。
あたしはそれを断り続けたの。」
なるほど。浅海の気性からして
家庭に入るのは難しいだろう。
型破りで、何かやらかしては学校でも処分
寸前になったりするものの、浅海は学校が
生徒たちが好きなのだ。教師という仕事に
誇りを持っている。


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「駄目になっちゃった。」

ぽろぽろと大粒の涙を流す浅海。
渉は胸が痛んだ。

「俺は、お前を慰められるのか?」

渉は浅海の髪を撫でながら
キスで涙を止めるように瞼にくちづける。
「泣きたいだけ泣いたらいいよ。側にいる。」
「わたる。わたるぅ。」
二人は抱き合って。渉の唇は浅海の瞼から唇
首筋に下がっていった。
「愛してるよ。今だけでいい。お前の悲しさを
紛らわすためだけでいいから。」


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渉は浅海の部屋を出た。


浅海を抱いた。
手に入れたらつまらなくなるかと思った。
それは大きな間違いだった。
愛しい。ずっと前からこうなる運命だったかの
ようで渉は目眩を覚えた。
ずっと、一緒にいたい。
浅海を、愛してる。


途端に渉にとって美瑛は憂鬱のタネとなる。
今まで唯一無二の愛しい女だったはずの
彼女が疎ましい存在に変わってしまった。
渉は申し訳なくて、美瑛が可哀想で
毎日気分が落ち込んでいた。
「渉。今、何してる?」
授業と授業の空き時間だった。
一時間半の中途半端な時間を、バイトの下調べや
予習なんかでゆるりと過ごすのだが。
こんなときは会えないが、予定の擦り合わせを
するにちょうどいい会話の時間になる。
「あたし、土曜日空いてるけど。渉は?」
「俺は夕方からバイト。」
「ランチ出来るかな。んふ。」
「分かった。朝、メール入れる。」
三日後に会う約束をした。
渉は、別れ話を切り出そうと決めた。

「あたしのことは可哀想とか思わないで」
浅海がシャワーを浴びて出てきた。
「俺じゃ駄目なの?」
渉は浅海の体からバスタオルを剥がすと
腰を抱いて乳房をやさしく揉み始めた。

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「こうなったのは、あんたは関係ないの」
渉は浅海の唇をすぐにキスで塞いだ。
あの日から渉は毎晩浅海の部屋を訪ねている。
毎日、浅海を抱く。
「俺は美瑛とは終わりにするつもりだよ」
「こ、こんなときに、言わ、ない、で。」
渉は浅海を愛撫しながら話し続ける。
「駄目だよ。もう駄目だ。俺はお前を愛してる」
「後悔、しない、の?」
「お前は俺が嫌いか?」
「ばか!愛してるわ。あ、ああん!」
「なら黙って待ってろ!」
「わ、わたる、うん。」
「俺は、お前がいいんだ。」









「別れよう」
いつものカフェでランチを食べている。
「何が?」
美瑛は何の話か分からないようすで
パンケーキにナイフを入れる手を止めずに
小首を傾げる。

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チャーミングだ。ナイフを動かすたびに
柔らかく胸が揺れる。
その胸に触れる資格はもう、自分にはない。
渉は白パンを千切りながら言う。
「俺たち、もう終わりにしよう。」
「なぜ、そんな、こと?」
人は本当に驚いたりショックなことがあると
表情を無くすと言うけれど、まさにそれだった。
美瑛はナイフを置いた。
「なんか、悪いことしたかな。あたし」
「いや。悪いのは俺だよ。」
「どうしてなの?」
「他に、好きな女がいる。」
渉はいろんな人に責められて殴られると思う。
それは覚悟していた。
でも、美瑛が泣くことだけは。
自分勝手な話だが、それが一番痛いことだった。

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「いつからだったの?もう、だいぶ前から
なんじゃない?」
「え?」
美瑛が意外なことを言った。
渉は無防備に口を半開きにする。
「あたしといるときはあたしを見てくれてた。
だけど、あたしといないときはあたしを
思い出してもくれてないんだろうなって。
それでもいいと思ったの。これは小さい頃から
ずっとそう思ってたわ。渉は基本冷たい。」
渉はそんなつもりではなかったが。
「そんな冷たい渉が、たまらなく好きだった。」
美瑛は渉を振り向かせ、繋ぎ止め、常に追いかけて
手元に手繰り寄せながら幸せを感じていた。
長い間つき合っていても、自分のものになった
なんてひとつも思えなかった。
「いつだって片想いだったの。
そこがたまらなかったの。」







渉はずっと。美瑛の気持ちを受けとるだけで
自分は何一つしてやってなかったのだと
初めて分かった。
確かに、浅海を思うときの胸を掻きむしられる
ような複雑怪奇な高鳴りもなかったし
美瑛といないときに彼女を思うことは滅多に
なかっただろう。
美瑛は渉に言った。

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「今まで、ありがとう。」
溢れそうになる涙を必死にこらえて。
笑顔で言った。

秘め事詳細※R18

リビングには食事のとき以外
家族が揃うことは少なくなってきた。
夕食が終わって、テレビの前から三々五々
散っていく男どもを横目に見ながら
洗い物をして明日の朝の下拵えをして
炊飯器のタイマーをセットした。
あ。1日終わったなと思う瞬間だ。
美月はデレッとしてひとり、
テレビの前で足を放り出して座り込む。

そこへ、亮が戻ってくる。
ニヤニヤしている。
なんだこいつは。何を企んでいるのかは
だいたい予想がつく。が。
キョロキョロとあたりを見回し
足音を立てぬようにこちらに来る。
美月の背後に座った亮は
後ろから抱きすくめる。
ほとほと嫌になるのだが
亮はこれが大好きだし
美月は情けないくらいに感じてしまう。
これをされると力が抜けて、どうにでもして
なんて思ってしまう。

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「あぁん。」
まずい。息子たちは部屋に帰ったとは言えども
いつまたリビングに現れたとしても
文句は言えないのだ。
亮の手が胸に回る。手のひらで包み込み
ゆっくりと回し揉む。
「んあぁん。や、やあ。ん。」
面白いようによがり声をあげる自分に
美月は眉間にしわをくっきりと寄せる。
何とかしないとのっぴきならない事態に
陥り修正が効かなくなる。
ダメだって!リビングで始めちゃ。
これもまったくの予想通りの展開だが
亮は後ろから美月の耳たぶをぺろりと
美味しそうに舐める。
「はあんっ!」
まずい。
痛いくらい感じてきちゃった。
「もうやだったらあ!亮のばかばか!
んもう、やめてよぅ!」
こんな拒み方でやめてもらえるとは
思ってもいなかったが
逆にやる気にさせたようで
亮の指は美月のあらぬところをなぞり始める。
「うふ。すごく濡れてるよ?」
「あん!もううるさいよっ!」
美月はプライドをかなぐり捨てて
亮に懇願するのだった。
「お願い。ちゃんと寝室で抱いてよぅ。」
亮は美月の首筋に跡が残るほどに吸い付いた。
「いやああっ。」
寝室で仕切り直すまでの間に
美月はかなり出来上がってしまう。
「うふ。柔らかくて、キツくて、吸い込まれる。」
亮は美月の性器を褒め称えながら
息を荒くしていく。

こんな調子で亮は愉しそうに美月を弄ぶ。



ある日突然に美月は憤慨する。

「あたしばっかり我慢してるじゃない!」

よがらせられて、声を我慢して
ハラハラドキドキしているのは自分ばかり。
これが不公平以外の何者だろうか。




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寝室で、美月は亮の後ろを取った。
亮は、すこしだけ。身動ぎをして
かすかにため息混じりの声を上げた。
「どうした?美月。」
「最近、亮はおいたが過ぎるよ!
リビングではあんなにしちゃいけないの!」
亮はまったく堪えていない感じである。
「あんなにって何を?」
「後ろから抱きすくめてきたり、耳たぶを
舐めたり胸に手を回して揉んだりもお全部!」
美月は自分で言葉で説明しながら感じてしまう。
バカだ。
今夜は、この愛しい男に感じさせられて
切ない声を上げるのは後回しだ。
ちょっとはしつけないと
電車で痴漢プレイとかされたらかなわない。
心の奥で何かが反応する。
美月はあわてて首を振って正気に戻る。

「今夜は亮に我慢する者の辛さを、たっぷり
あじわってもらうんだかんね。」
「美月は、我慢してたんだ?俺に、されるの
嫌なんだ?」
亮がすこし拗ねて見せる。美月は亮の背中に
乳房をすりつけた。
「嫌じゃないに決まってんでしょっいつも
恥ずかしいくらい濡れちゃうんだから!」
「じゃあ我慢することないじゃん。
俺は美月の感じてる声、スッゲー興奮するよ。」
美月は亮におぶさるようにして
うなじに頬を寄せた。
「んもう。亮はしょうがないひとだよね。
だけどあたしはリビングでしたくないの!
あそこでアンアン言ってるうちに
あいつらがテレビ観に来たらどうすんのさ。
卓ならまだしも渉だったら面倒だよ。」
亮はにやにやしながら美月の方を見る。
「一つ確認。あれで美月は声、我慢してたんだ?」
美月は真っ赤になって亮の頭を叩いた。

「とにかく!亮もちょっとは我慢を覚えるの!」
美月は亮も弱い耳たぶを舐める。
亮はぴくんと感じているようだが
声を我慢するには至らない。
美月はしょっぱなこれでは、と迷ったが
声を我慢する体験をさせるには
これが一番効率が良い罰なのだ。
美月の指が亮の胸を滑る。少しだけ
乳輪や乳首の先をくるくると弄んだが
亮は息を弾ませただけで声をあげるには
まだまだといったシチュエーションである。
意を決して美月は、亮の股間に指を滑り込ませた。
「あうっ。」
瞬時にはじけるような硬さを帯びた
亮のペニスは美月の手に吸い付くように
頭をもたげた。
包んで、締め付け、擦る。
しごき始めると亮はとても息を荒くした。

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「美月。あ、これは反則だよ。ん!」
「これをリビングでやってないだけ有り難く
思いなさい。」
美月は亮の耳たぶを甘くくわえると言った。
「声を出したら駄目よ。」
「あふう」
美月がしごきながらも袋まで弄ぶに至り
亮は声を我慢しすぎて辛いと言ったように
身体をくねらせ始めた。
「か、勘弁してっ!」
そもそも亮だって感じやすいのだ。
若い頃、手相を見てやるといって生命線や
感情線やらを優しくなぞってやると
真っ赤になっていた。
可愛いわ。なんか美月にも感じて声を上げるのを
我慢している様子の可愛さがわかってきた。

感じさせられる側の多い美月。
そりゃ挿入してから動いていれば
亮も気持ちが良いのはわかるし
それがセックスの意義だと理解していた。
感じている様を見ているのはまた違う
自分の他の部分の快感を満たすのかもしれない。
「んふ。亮ってばかわいいよ。」
「あっ!んふぅっ!く、くぅっ。」
いつもこんなギリギリの亮を見ているときの
自分はイキそうになってるから
良くはわからなかった。
つらそうで、すごくイヤらしい顔をしてる。
美月は少し正面の亮まで身を乗り出して
唇を吸った。
亮は派手に身体を震わせた。
フィニッシュ間近に、美月は亮を口に含み
カリに舌を立てて舐め弾いた。
「う、くう!だ、だめ、イッちゃう。」
「いいよ。飲んであげる。」
どくどくと脈打つとじゅうじゅうと精液を
発射する亮。美月は喉をならして暖かい液を
飲み下すと亀頭にくちづけしながら
残りを吸い上げた。
亮は100mを何本もダッシュしたみたいに
息を荒らげて美月にのしかかる。
美月は柔らかく抱き締めてキスした。

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「な、なんか、すごいサービスだった。」
「可愛かったよ。」
「男って女から可愛いって言われるの
そんなに嬉しくないんだぜ?」
「じゃあ、素敵だった。」
「結局、美月は何がしたかったんだよ。」
「えへへ。セックス。」
しばらくすると亮が上になり
普段通りの愛撫がはじまる。
美月は素直に感じて声を上げた。

大人のオトコ ※R18

「二十歳おめでとう。」
浅海はわざと渉の誕生日を数日外して
彼を部屋に招いた。
当日は当然、彼女の美瑛とデートだ。
それをわかっている浅海はきちんと
渉の体が空くのをまってくれる。

休日の真っ昼間からシャンパンをあける。

渉は勝手に思い込んでいたのだが
浅海は多分いくら飲んでもケロッとして
頬を赤くすればめっけもん、くらいな
酒豪なのだと勘違いをしていた。

渉自身は美月の血が流れているからだろう
酒は好きだが、酔わない体質だ。
卓も同じである。
家族で一番酒に弱く何かあればすぐ酔い崩れる
厄介なやつが亮となるのだが。
普通に考えれば亮だってそこそこイケる口だ。
一家の大黒柱としての威厳までも損ね兼ねない
失態はいつだって酒がらみだが。
いかんせん、妻や息子たちが強すぎるのだ。

浅海と渉はシャンパンのグラスを軽く合わせて
微笑み合う。
渉の彼女である美瑛は亮よりは強いが
やはり渉より先にほろ酔いになる。
もう、かなり色っぽくなるので酒なんぞ
飲んでいる場合ではなくなるのだ。
浅海はどれほど飲んだらほろ酔いになって
くれるのだろう。
渉は、浅海が酔ったらおっぱいくらいは
揉んでやろうと思っている。
キスくらいはしてやろうと思っている。
あっさりとした顔立ちのわりに、浅海の唇は
渉の好みの小振りでぷっくりとした艶のある
唇だ。正直耳にキスしてくるくせになぜ
唇にはしないか渉にはわからなかった。
感じさせてやる。
もしその気になったなら
成人記念に一発くらいセックスしちゃおう。
どんな声を出すのだろうか。
自分のぺニスに満足して喘ぐ様を想像する。
ぞくぞくした。
渉は、驚きの下心でジュース同然のシャンパンを
飲み干した。

「わたる。」
あれ?
浅海はシャンパン一杯で目があぐらをかいて
しまった。
「わたる!」
「はい?!」
「セックスして。」
「はあ?!」

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渉は、あれだけヤル気満々の下心を膨らませて
いたくせに浅海が酔っぱらって迫っていくと
手が出せなかった。
「お願い。抱いて。」
浅海は服を片っ端から脱ぎ始め、そこらじゅうに
散らかしていく。
見事な裸体が自分に抱きついてきた。

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「ずっと抱いてほしかったの。我慢してたの。
でも限界よ。渉。愛してるわ。いいオトコ。
あーん!メチャクチャにしてほしいの!」
浅海は言いたいことだけ言い終えると
安らかな寝息を立てて、渉の胸で眠った。






これが酔った勢いなのは十分承知だ。
やっちまうか。
でも、浅海がこの経緯を起きた後に記憶して
いるのかも保証はない。なんにも覚えてない
なんてことになったら。
せっかく抱いてもそれが思い出にもならないのは
寂しいなと思った。
渉は、浅海を揺すって必死に問いかける。
「なあ。抱いてやるよ。セックスしよう。
起きてくんなきゃつまんないよ。」
浅海は目を覚ます様子はなかった。

渉は彼女を抱いて寝室に入る。
ベッドが2つ並んでいて、カバーが
ブルーとピンクだったので彼女のベッドと
思われるピンクの方にその裸体を横たえた。
風邪を引かぬように布団をかける。

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「まったく。可愛いよ、おまえは。」
渉は浅海の唇にゆっくりと自分の唇を押し当てる。
気持ちよく触れた彼女の唇は微かに動いたが
深い眠りに落ちたまま天使の寝息で応えるのみ
だった。
「くそ。つまんねえ。」





その日の夜。メールがきた。

ごめん!!あたしいつの間に酔いつぶれたっけ

やはり、覚えていない。

渉は返信する。

可愛い寝顔をごちそうさま。

キスのことは秘密にした。





「あたし、誘惑しちゃったでしょ。」
しばらくして、浅海はあの日のことに触れる。
本当に覚えていないんだ。渉は何だか楽しく
なってしまう。シャンパングラス一杯でこんなに
自分をなくしちゃうなんて。
きっと浅海の駆け引きや旦那や家庭や他のこと
何にも足さない本音が素直に出てくる。
あんなちょっぴりのお酒で。
可愛いよ。やっぱり。
「誘惑って?」
渉はとぼけてみる。
あれは誘惑というよりお願いだ。
まあお願いされても出来なかった。
何より浅海が寝崩れてしまったからだが。
誘惑なんかされなくたって、少しくらい
酔ってガードがゆるくなったら
襲おうと思ったんだけどね。
眠って反応しなくなったオンナがこんなに
つまらないものだったなんてな。
渉は無駄と分かりながら手を伸ばす。
「あん。」
そうだ、この声だ。
感じてくれなきゃ、触れてる意味がない。え?
渉はたやすく触れることのできた浅海の乳房を
やさしく揉みほぐしながら驚く。
「あれ?いいの?」
「あ、ああんっ!だ、だめ。ん、んっ。」
何より感じてしまう自分に必死に抗う浅海。
「はあぁん!ダメッ!」

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渉は服の上から乳首を弄ってやる。
「い、いやぁ、あ、あはあああんっ!」
つらそうに感じる浅海。
「いれてやろうか。」
「いや、ダメよぅ。欲しいの、でもだめ!」
渉が耳を舐めてやると浅海は体を反り返して
感じている。
「無理するなよ。一度でいいから。しよう。」
「渉ぅ。はあ、はあん!」


渉のスマホが鳴った。
いきり立った渉のぺニスを浅海がうっとりと
してくちづけようとしたときだった。

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美瑛だ。
「あ、渉ぅ?バイト終わったの。今から会えない?」
明るく屈託のない声が隣にいる浅海にも
漏れ聞こえてくる。
「あ、ああ。わかった。うん。」
渉はスマホを鞄に突っ込む。
浅海を抱き締めて尚も続きをしようとしたが
もう浅海の目はいつもの表情だ。
「あたしは、彼女を大事にしてる男が好き。」
「無理しやがって。」






「あたしもまだまだだわ。あんなその場の
雰囲気に流されるなんて。」

あれから一年以上が経つ。
浅海とのデートは何でも言い合えて
渉のストレス解消にもなる。
「そんな考え方、相変わらずね。素敵よ。」
美瑛とは違い、友達との話や大学での人間関係
まで掘り下げて語っても浅海はきちんと聞いて
くれる。このオンナは自分にはとろとろに甘いが
なかなかどうして、辛口な男勝りなポリシーを
持っている。
話をしていて楽しい。これは出会った頃からだ。

今は月に一度くらいの頻度で会う。
大抵、浅海が車を飛ばしてきて
目立たない場所から渉をピックアップ
そのまま遠出をする。
よく浅海が勝手に車をラブホに入れる。
そこで何もしない純粋休憩をして
またドライブに戻るのだ。

何にもしない。
最近、それももったいないと思ったり。
「キス、しようよ。」
少し甘えて浅海に擦り寄ってみた。
「お前の唇はキモチイイ。」
「え?」
「お前が酔っぱらった日、あったろ?
あの時触れるだけのキスをした。」
「マジでっ?!」
浅海は驚いていた。今さらだなあ。
渉は指で浅海の可愛らしいぷっくりとした唇を
愛しげにつつき始めた。
「キス、していい?」

「やらしい。なんてやらしいキスしやがる。」
眠っていたあの唇からは想像もつかない
自分の唇を食べるように、キスで感じる全ての
快感を余すことなく味わえるようなものだった。

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「これでセックスしないなんて珍しいわ。」
「ならしようよ!」
もう渉はもちろん臨戦態勢だ。
「セックスしたら。もう会えなくなるよ?」
渉は泣きそうな顔をした。
そんなの嫌だな。
「んふ。渉はあたしにとってただの浮気相手
なんて下らない存在じゃないんだもん。
会えなくなるようなことはしたくないの。」
まあ、今の時点でも咎められる筋には
咎められるはずなんだが。
「そろそろ帰ろうか。」
二人はセックス後のカップルのように
寄り添って部屋を出た。

愛してる ※R18

渉は彼女の美瑛を愛している。

真っ直ぐに自分を愛してくれるあいつを
俺も愛している。
ずっと昔から。
ガキの頃から。
物心ついたときには
美瑛は俺の側で俺だけを見ていた。
瞳を潤ませて見上げる。頬を桜色に染めて。



こうして長いこと俺たちは愛し合ってる。






「俺は、何でお前と会ってんのかな。」
渉は自分の中で説明のつかない
辻褄の合わない気持ちを浅海に丸投げした。

「あたしが呼ぶからじゃない?」
浅海は休みの日に渉を家に呼ぶ。

「お前、旦那には何で言ってんだよ。」
「え?教え子を家に呼ぶの、なんか悪い?」
あんまりにもしれっと答えた浅海に多少
腹立たしい思いがわく。

「厳密に言うと教え子じゃねえし!
それにその教え子は男子でハグしたり
耳にキスしたり、大好きよなんて囁いてる
ってバレたら旦那もキレるだろ?」
「当たり前じゃない。」
「旦那とはうまくいってんのか?倦怠期の
つまみ食いとかいうんなら勘弁だぜ。」

渉は正直、浅海の気持ちを掴みかねている。
浅海は自分に惚れているといい
ギリギリのボディタッチやあらゆる話術で
甘やかしてくれる。
いつも耳元で大好きよと、体の芯までとろける
ような言葉をくれる。
渉は、何度浅海を抱こうと思ったかわからない。
だって。俺を好きなんだろ?
こんなに誘っておいて、受け入れないなんて
おかしな話じゃん。
でも、こいつには旦那がいる。
旦那と上手く行ってないから俺を好きに
なったのか?じゃあ、さっさと別れろよ。
二人とも好きだなんて。
意味わかんねえ。

「旦那とは上手く行ってるわよ、もちろん。」
「へ、へえ。そうなんだ。じゃあ俺のことは
からかって遊んでるだけなんだ。」
「そっか。渉にはわかんないか。」
浅海は渉の右から肩に体を預けるように
しなだれかかった。
渉は胸がぎゅうっと苦しくなって
腕を回して浅海の腰を抱いた。

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「ねえ。あたしの体だけ抱きたい?」
「俺は。」
「じゃあ、あたしじゃなくても、いいでしょ。」
「いや、俺は。」
「男の子はオッケーサインを出してあげれば
誰とだってセックス出来ると思うわ。
それを邪魔するのは、好きってキモチよ。」
「好き?」
「どこかに誰かを好きってキモチがあると
本能のまんまにはいかなくなるの。」

「あんたはあたしを好きでなくても構わない。
あたしは美瑛を好きな、毎日を渉として
頑張ってるあんたを好きなの。
抱かれたいくらいに。あんたはあたしに嫌悪感
を抱かないくらいでいて。こうして触れさせて。
お願いよ。」
「俺、好きだよ。どうしてだ?浅海のことも
大好きだ。こんなこと、あっちゃいけない。」
「んふ。ありがとう。でももう口にしなくて
いいわ。あんたは考えなくても良いことよ。」
浅海は渉の後ろめたいキモチごと包み込んで
耳にキスをして封印した。
いいのよ。あたしがあんたを大好きなだけ。
あんたはなんにも考えなくて良い。


渉は自分と浅海の関係を誰にも話さない。
いや、話そうとしても話せない。
何にも例えようがない。
不倫?浮気相手?間男とか。
この二人で触れているときの苦しさと切なさを
咎められるなら、俺は罪人なんだろう。
浅海は俺と美瑛が愛し合ってることすら
一緒に飲み込んで大好きだというのだ。
俺には、そこまでの覚悟はない。

渉はふと、こんなキモチを分かるほどの
経験豊富な人が身内にいないか考えた。

相手の恋人のことすら一緒に思う。
嫉妬も起きないのか、それさえ想いに変わるのか
そんな恋を経験している、誰かいないか。

「あ。」

そこで渉が思い当たったのは。







「賞平くんて、うちのお袋に惚れてたんだろ?」
自分よりだいぶ背の高い担任教師に
渉はニヤニヤ冷やかす振りで話を投げる。
自然と上目使いになり自分でもやらしいなと
思ったが、ふざけた話題にするには丁度良い
と思った。
「今だって惚れてるぜ。」
賞平は鮮やかに笑って渉を黙らせる。
「なにいってんだよ。美雪さんがいるだろ?」
渉は17年間の人生の中で築き上げた常識を
振りかざして、思わず反論する。
「美雪のことは愛してるしあいつが一番だ。
それは勿論だよ。でも美月って女にも男として
惚れてるよ。あいつはすごくいい女だ。」
「それ、美雪さん怒るだろ。」
「そうだね。すっげえやきもちやくよ。
またそれをねじ伏せて寝技に持ち込んで黙らせる
それが気持ちいい。たまらんよ?」
うわあ。こんなの真似できねえ。
渉が食傷気味な表情をしていると
賞平が今度は突っ込んできた。

「お前は何が聞きたかったんだ?」
「いや、その。」
「恋のお悩みかね?」
「いや、違うって。」
「そうか。まあ、美瑛とのことは心配してないが
それだけにそんな話振るところが気にかかる。」
「何でもねえ。」
「あ、そ。ま、いいけどな。」



賞平が「今だって惚れてるぜ」と言ったとき
感じたものは、いつも渉に向けられる
浅海の「大好きよ」とは似て非なるものだ。
賞平と美月が二人きりになればもっと
濃厚な気持ちが満ちて胸を締め付けられる
ような思いで時を共有することもあるのか。
渉はそれ以上は想像できなかった。
未だに美月が女であることを認めたくない
亮と愛し合ってることさえも受け入れられない
渉が、賞平とのことに思い至らせるのは
無理なことなのだった。




「どうしたの?渉。元気ないよ。」
自分の部屋で美瑛のセーラー服のスカーフを
しゅるりと外した。この音が渉は好きだった。
セーラーの上着を捲り上げるとすぐに胸の
谷間がくっきりとして渉を誘い込む。
いつものように軽くキスをして、フロントホック
を外してやる。たわわな乳房が嬉しそうに
はしゃいで渉の方へ飛び出してくる。

「美瑛。可愛い。愛してるよ。」
そりゃあ、こうして美瑛と愛し合ってるのが
一番しっくりくる。
どうしてやったら感じるのかわかる。
わざと的を外して焦らす術も知り尽くしてる。
自分のぺニスがいつも掻き回すのは
美瑛の性器だ。もう、自分のぺニスの形に
誂えられたようにはまりこむ。
「あ、や、やんっやんっ!あはあんっ!」
相変わらずキモチよさげに感じている美瑛
そんなよがる声まで渉には快感だ。

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たまに、やったことのない体位を試して。
角度がハマると美瑛がたまらなくいやらしい
顔になり乳房を弾ませて感じ始める。
「や、いやっいやあんっ!」
「いや?」
「あんっ!あ、いやじゃ、ない、ん、んあん!」
「んふふ。」
「あ、ああ!ひあああん!ふぁぁっ!」
美瑛のよがる声は可愛くてエッチで最高だ。

アナルパールは去年から使い始めた。
たまにアナルセックスもするが
キツすぎて渉が持たないのだ。
アナルには二人とも同じように興味があった。
お互いをアブノーマルと責めることがなかった
のも嬉しかった。
美瑛はアナルパールを仕込んで抜き差ししてやると
すぐに感じ始める。
ゆっくりと珠を行き来させてやる。
「あんっあんあんっああんっ!」
珠の動きに声が上がる。
美瑛のヴァギナはとろとろになる。
「ああん渉ぅ早く来てぇ!」
熱くとろけた美瑛の中に入って動くと
暫くして絶頂に達する。美瑛がひくひくと
とろけた蜜壺を波打たせる。
ぴちゅくちゅと音をたてる。
「あ、ひぁっあふぅんっ!!」
美瑛はどこかへ飛び出して行ってしまいそうな
くらいに体を弾けさせて悶え苦しむ。
快感に自分を保てないほどになる。
それでも渉はぺニスを美瑛から抜かない。
そこからまた激しく奥へ突きまくると
美瑛はまた絶頂に登り詰める。
「ハアアッああ!クハァンッ!」
普段あまり出さないような声で叫ぶ。
渉はそんな美瑛の中で果てる。
抱き合って、荒くなった呼吸を感じあう。

セックスはこの上なく充実している。
幼い頃から真っ直ぐなキモチをもらって
甘く誘われて、性欲をふたり暖めてきた。
なんの障害もない。




渉はどこかで、抱きたいのに抱けない
簡単には抱かせてくれないだろう浅海に
惹かれている。上手くいかないから、だ。
「好きってキモチがあると、本能のまんまには
いかなくなるの。」
どことどこに、好きってキモチがあるのか。

渉はもう考えるのをやめてしまった。













相変わらず、浅海のお手製のケーキを食べて
紅茶を味わったあと膝枕でまったりする。
「渉ぅ。だいすきよ。」
いつものように浅海は自分の髪を撫でて
甘くささやく。

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渉は体を起こして浅海の耳をやさしくくわえる。
ひと舐めしたあと、チュッと音をたてて
キスしてやる。
「大好きだ。」
「きゃあん!」
浅海の感じてあげた声が可愛らしくて
渉は本当に彼女を愛しく思った。
きっとこいつは俺と寝たなら
毎晩泣くだろう。
切なくて、逆に強くならなくちゃって
毎晩泣くだろう。
可愛いよ。


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「渉ぅ。ありがと。」
浅海は初めて渉の胸の中でちょっぴり泣いた。

賞平と浅海2

「久しぶりだな。浅海。」
「んふ。賞平くんてば、カッコよく
年食ったね。素敵だよ。」
「やめろ。おだてたってなんもでねぇぞ。」
「おだててなんかないのに。」

浅海が相談員として久田学園中等部の保健室に
詰めるようになった頃、賞平と再会した。


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「大人しい顔つきになってたから
気がつかなかったんだ。改めてみたら
今すぐにでもくわえたいって顔してるぜ。」
「賞平くんはあたしを何だと思ってんの。」
「浅海だよ。俺をドキドキさせてくれた。」
「別に。そちらが勝手にドキドキしたんでしょ。」
思いの外冷たい態度の浅海に、賞平は違う
角度から切り込んでみる。
「お前は年上より同い年か下がタイプか。」
これは自分にちっともなびかない浅海が
同い年の彼とずっとつき合い続けて結婚した
事実に沿ったちょっかいだったのだが。
「え。ち、違うわ。そんなんじゃないの。」
「あれ?俺、なんか地雷踏んだ?」
「あん!何でもない!あたしの回りに
素敵な年上の男が居なかっただけよ!」
これはかわいい。
賞平は意外に思うと同時に、もう少し
ほじくり返してみようとほくそえむ。
「お前、生徒をつまみ食いしてんじゃ」
当てずっぽうだったが、全部言い終わらない
うちに浅海の顔が般若に変わった。
「滅多なこと言わないで!」
「素直な女だ。変わってない。」
賞平は浅海の耳にキスするほど近づいて
吐息か声かわからないほどに囁いた。

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「惚れたのか。中学生?高校生か?」
「もうっ!いやぁ!賞平くんのエッチ!」
「エッチってお前。」
賞平はもうからかって楽しもうというだけでは
済ませておけないと突っ込む。
「毎日顔合わせて、大丈夫なのか?もう寝たの?」
バレちゃいないか、相手の生徒はどれほど
浅海に翻弄されているのか、刃傷沙汰だけは
避けろと矢継ぎ早に捲し立てた。
急に浅海の表情が落ち着く。
慈愛の色さえ滲ませて微笑む浅海。
「大丈夫よ。片想いだから。あいつは
ちゃんと彼女を愛してるし、そんなあいつの
ことが好きだから。」
賞平は今までの浅海という女に抱いていた
イメージを修正せざるを得なかった。

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「コクりはしてるのよ。いつもこうして。」
浅海は目を閉じて、賞平の耳元に唇を寄せ
触れるくらいに近づいて、大好きよと囁いた。
賞平は全身に電気が走り体が震えた。
「……お前はとてつもない悪女だな。」
「初めてよ。そんな言われ方。」
「セックスは?」
「しないわよ。そんなことしたら
あいつが辛い思いをするわ。
するわけないでしょ。」
「ズルいな。」
「あたしの性欲はあたしが片付ければいいし。」
「そいつは毎日お前を見てちんこ
おっ勃ててるんだぞ?精神衛生上良いわけ
ねえだろうが。」
「やめて!毎日会いたいくらいよ。体だって。」
「生徒じゃ、ねえのか。」
「もうっ!やめてったら!」
浅海は本気でその少年に惚れている。
もう賞平には浅海が踏み外さないよう
祈るしかないと、それしか出来ないんだと
思った。
「俺が美月に惚れてんのとおんなじか。」
その時、浅海の表情がまたくるりと変わった。
次の瞬間、彼女自身がその表情を消したのだ。
「賞平くんは美月先生が好きなんだ。」
「ああ。あいつと初めて会った23年前から。」
「ヤッちゃおうって思わなかったの?」
「お前がさっき自分で言ったろ?あいつの
ために、出来るわけないよ。」
「ふぅん。」
浅海は賞平を見上げてかわいらしく唇を
つき出す。ぷっくりとして色っぽい唇。

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「なんだろ、このシンパシイ。抱かれてもいい
くらいな気持ちになるわ。」
「この年で毎回惚れ直すよ。あいつはいい女だ。」
「奥さんとの仲は?」
「愚問だな。昼夜ともに満足させてるよ。」
「エッチ!」
「エッチってお前。」
だが賞平には薄々わかっている。
自分と美月なんかより
浅海が相手の少年に与えているものは
よっぽどとろとろで甘い蜜なんだと。
そのうち、二人でいるところを見てみたい。
でも昔のようには覗かせてくれないだろうな。
賞平は思い巡らせて下衆な笑みを浮かべていた。

賞平と浅海 ※R18

「ねえねえ賞平くん!あれ持ってない?」
村雨浅海は担任教師のいる理科準備室に
素晴らしい俊足で駆け込んだ。
「あ。誰もいない。」
準備室はもぬけのからで、理科室側では
美月が器具の整理をしている。
「あ、村雨さん。」
「美月先生!こんにちは!」
中学の時の担任教師、一言では言い表せぬほど
世話になった美月には浅海も礼儀正しく接する。
「賞平くん?今日はずっと職員室だって。」
「ありがとうございます!」
浅海は身を翻してあっという間に走り去る。
「有り余ってるね。あの子も。」
美月はため息をつくと、また手元に目線を落とした。

「坂元先生。」
職員室ではさすがに浅海も気を使う。
「あ、浅海か。なんだー?」
賞平は書類から目を離さずに訊いた。
「あれ、持ってない?」
「あれ?」
「あれ、よ。持ってたら一つ、ううん三つ
くらいくれたらありがたいんだけど。」
「あれって何?」
多少苛立ちながら賞平が聞き返すも
浅海は歯切れが悪い。
「言ってもいいんだ?」
「言ってもらわなきゃわからんよ!」
「だから、コ*@>^」
「聞こえないよ!もっとハッキリ言えって!」
「コンドームよ!一つじゃやっぱり足らないわ」



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「勘弁してくれよ。あんなデカい声で!」
賞平は男性教師用のロッカーへ向かう。
浅海はちょこちょこついて歩く。
「なによ。賞平くんが声張れって言ったん
じゃないの。」
「それにしても!教師にコンドームねだりに
くる女子生徒は前代未聞だよ!!」
「持ってるあなたも大概じゃない。」
「そんなこと言うとやらないぜ?」
「ああん。それは駄目ぇ。」
「へんにいろっぺえ声出すなよっ!」
賞平はこの村雨浅海という女子生徒が
苦手だった。美月が中学で面倒を見ていた流れで
自分が担任を持っているが
あっさりと色気とは無縁な顔立ちをしている
くせにとんでもなくエロい表情をするのだ。
オンナノコ全開で誘うタイプとは違う。
別に賞平のことはどうでもいいのが分かる。
放っておいたら目の前でオナニーでも
おっ始めちまうくらいのエロさなのに
見てるこちらがコーフンしているのを
平気で無視する。そんな感じか。
「賞平くんは奥さんいるんでしょ。なんで
学校にコンドーム置いてあんのさ。誰と
セックスするの?」
「まとめ買いしたやつをなんとなくロッカーに
入れてただけ!使おうと思って置いてある
わけじゃねえよ。」
「ま、そういうことにしとこっか。」
「お前こそ、蒲生と今からセックスか?」
「ん。そう。やっぱり一回じゃ満足出来ない。」
「お前こそ、ロッカーにグロスで突っ込んどけよ。」
「今度からそうするわ。さんきゅ。」
浅海は体つきも決して色っぽい訳ではない。
バストサイズも平均的な見た目だし
ウエストからヒップにかけてのラインも
そう艶のある方ではない。
「お前が頻繁にセックスって、信じられないな。」
「第2体育館の横の用具倉庫でやるよ。」
「え?」
「見に来れば?百聞は一見にしかずじゃない。」
「はあ?!」
「コンドームのお礼。」
情けないが、賞平はドキドキして
どう言い返したものか思い付かなかった。

「遅かったな。」
蒲生は浅海を待ち兼ねたという風に
抱き締める間もなくキスして
胸を激しく揉み始めた。
「ん、んふぅん。はあっ。」
浅海は満足げに感じ始めた。
いっちょまえの声上げやがる。
浅海がわざと細目にあけた引き戸から
覗き見する賞平。

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娘が生まれたばかりでセックスはご無沙汰だった。
くそう。なかなか刺激的だな。
「あ、ああ、イッちゃうよう!」
「なんだよ。早いな。」
「はあっ!はああん!!」
「うふふ。」
絶頂に達した女に尚も奥まで突き上げている
ようだ。いやらしい音がやまない。
「あ、あはあっ!す、すごぉい!!」
「イクぜ。」
「あ、あ、んあああんっ!」
「う、うふうっ!」
ふたりの動きが止まった。
同時に乱れて同時に落ちた。
浅海が余韻に浸りながら蒲生に甘えている。
「ねえ。雅也。」
「なんだ?浅海。」
「もっと!」
「大丈夫だよ。もっと狂わしてやる。」
「嬉しいっ。」


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二人はほとんど制服を脱がずにセックス
しているのだが、さすがに胸を責めるときは
セーラー服を捲り上げて、肌を露にする。
浅海の胸は意外にも豊満で、ブラから
出されて重力に逆らうようにいやらしく揺れる。
蒲生は本当に楽しそうに浅海を愛撫して
浅海は必死に蒲生を掻き抱いて
しがみつくようにしてよがり叫ぶ。
浅海はただ叫ぶしかできなくなる。
首を激しく横に振って乱れる。


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賞平は全部覗くつもりはなかったが
体が硬直して離れられなくなってしまった。
「ねえ。キスして。」
「今日は叫びっぱなしだったよな。どうした?」
「なんだかエッチな気分だったから」
「まさかどなたかご招待してるとか?」
「違うわ。雅也。それとも、3Pにしたい?」
「ばか。変態趣味の女はお仕置きだよ。」
賞平は間男の気持ちを疑似体験させられ
ギクシャクとした足取りで体育館を離れた。


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「んふ。どこまで見ていたの?」
悪趣味だ。こいつとんでもない女だな。
セックスが終わったならさっさとふたり
イチャイチャしながら帰れっつーの。
わざわざ俺がどれほど興奮しながら覗いて
いたのかを確認しに来やがった。
「蒲生は?」
「帰ったわよ。」
「お前は何してんだよ。」
「先生がどのくらい楽しんでくれたか
アフターケアよ。」
「何いってんだ。」
「でも本当に覗くとはねえ。コーフンして
もらえたかしら。どう?あたしの感じた声。」
「いっちょまえでした。」
「んふ。ありがとう。」
今のは、すこし可愛かった。
賞平は素直に感想を述べる。
「セクシーだった。下手なエロビデオより
よっぽど刺激的だった。」
浅海は嬉しそうにすると頬を真っ赤にした。
「なんか、正面切って褒められると恥ずかしい。」
「いい女だ。」
「ん、もう!やだあ!感じてきちゃうよ!」
浅海は照れて賞平を突き飛ばす。
浅海は運動神経がずば抜けている。
身体能力もかなり高い。
力としなやかさを兼ね備えたバランスの
取れた体から繰り出される突きは
賞平のような大柄な男もよろけさせる。
「お前、そんなに奔放に生きてて、要らん男に
ヤラれないのはその力のお陰なんじゃないか。」
「あたしに疚しい気持ちをもつ男なんか
いないよ。普通は引くでしょ?うふふ。」
確かにな。
「先生とだったらいいかな。一回くらいは。」
「はい?」
浅海は悪戯な発言を撤回もしなければ
掘り下げもしてこない。
多分賞平なら、蒲生のパンチを受けきれると
思ったんだろう。蒲生もただ者ではない。
賞平も、あんな風に鳴かせてやるのも面白いと
想像した。
これは今晩のおかずくらいにはなるかな、と。