2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧
「あのさ。誠一郎?」 日曜日。デート中、食事を終えて街をブラブラ している加奈子と誠一郎。 誠一郎の腕に体ごと腕を絡めて歩くまでに 進化した加奈子が、小首をかしげて誠一郎を 見上げてたずねる。 誠一郎はまだまだ明るい時間だというのに 然るべき場所…
ここからの続きです。 http://s.ameblo.jp/mizukisaginuma/entry-12071566941.html?frm_id=v.jpameblo
「さびしい。」 努は加奈子を隣に座らせて 珍しくその手に触れた。 「どうしたんだよぅ。何かあったのか?」 努は女が嫌いだ。 触れれば酷いときには蕁麻疹が出て嘔吐する。 触れて大丈夫なのは美月だけである。 加奈子とはこうして近くで語り合う仲では あ…
道場にはゴツい坊さんが数人いた。 すごい荒ぶった雰囲気で 今にも暴れだしそうな顔をした人もいたが 誠一郎の父が道場に足を踏み入れた瞬間、 気配がすっと入れ替わった。 静かな表情になった坊さんたちは 動きを揃えて誠一郎の父に挨拶をする。 「荘玄様!…
「おう。熊谷くん。」 誠一郎は先輩教師、生物の坂元教諭に 呼び止められる。 「なんですか?坂元先生。」 渡り廊下をすれ違いざま軽く挨拶のつもりで 振り向いたのだが、ことのほか相手の表情が 豊かなので誠一郎は足を止めて近づいた。 「なんか面白いこと…