2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「二十歳おめでとう。」 浅海はわざと渉の誕生日を数日外して 彼を部屋に招いた。 当日は当然、彼女の美瑛とデートだ。 それをわかっている浅海はきちんと 渉の体が空くのをまってくれる。休日の真っ昼間からシャンパンをあける。渉は勝手に思い込んでいたの…
渉は彼女の美瑛を愛している。真っ直ぐに自分を愛してくれるあいつを 俺も愛している。 ずっと昔から。 ガキの頃から。 物心ついたときには 美瑛は俺の側で俺だけを見ていた。 瞳を潤ませて見上げる。頬を桜色に染めて。 こうして長いこと俺たちは愛し合って…
「久しぶりだな。浅海。」 「んふ。賞平くんてば、カッコよく 年食ったね。素敵だよ。」 「やめろ。おだてたってなんもでねぇぞ。」 「おだててなんかないのに。」浅海が相談員として久田学園中等部の保健室に 詰めるようになった頃、賞平と再会した。 「大…