鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

未婚の妊婦

浅海はつわりも軽く、美月が車で送迎をする こともあって本校での授業を続けていた。「え?妊娠?村雨先生離婚したばっかだよね」 前々からソリの合わない主任だとは思って いたが、やっぱりダメだなあと思う。 下世話な野次馬オーラを全開にして 鼻の穴を膨…

亮と浅海

「さあ、遠慮しないで入って。 今、主人も来るから。」 美月が渉に連れられて訪ねてきた浅海を リビングに通す。 「渉。安全運転したか?妊婦さん乗せるときは 気使ってやらないとね。」 美月が渉にどや顔で講釈をたれる。 「わかってるよ!」 鬱陶しそうに…

なんも言えねぇ

「ええと。美月?」 夜、残業で帰りの遅くなった亮が キッチンでお茶漬けをすすっている。 美月は梅干しと昆布の佃煮を小皿に出すと おずおずと亮に差し出した。 「もう一回言ってもらっていいかな。」 「ん?だから。彼女が妊娠したの。」 亮は佃煮をひとつ…

天使が舞い降りた3

妊娠2ヶ月だ。 エコーの写真を見ると、ちょろんとまるっこい ものが写っていて、我が子ながらイモムシの ようでかわいいなあと思う。渉は何て言うだろう。 彼はまだ大学生だ。 すぐに結婚するわけにもいかない。 と、いうより。 浅海は自分自身がすぐに結婚…

天使が舞い降りた2

思った以上に体調が悪い。 浅海は依然として食欲が落ちていて 胸焼けが酷くなった。 渉には心配かけたくなかったのだが 毎晩のように訪ねてきてくれる。 つい甘える。 一緒にいるとすこし食欲がわくのだ。 食事の支度をする気も出る。 台所で二人で料理をす…

天使が舞い降りた

浅海が離婚してから3ヶ月が過ぎようとしていた。季節が移り変わり、朝晩めっきり冷えるように なってきた。 そのせいだろうか。体が怠く熱っぽい。 浅海は体温計とにらめっこをしている。 37.3℃ 風邪薬を飲むか最後まで悩んだが 紅茶に生姜のスライスを浮か…

なるようにしかならない

夜、美月は亮と二人 久し振りにお酒を飲んでいる。 「この日本酒見たことないけど美味いね。 さすが正直さんのお土産にはハズレなし。」 正直さんは美月の父だ。無類の酒好き。 呑むために引退せずに働き続けている。 「出張に行くと初めて行く土地でも 必ず…

別れても好きな人

渉が美瑛と別れてから二週間。渉からは誰にも言わなかった。 言いふらして回ることではなかったし 日常に不自由はなかった。 これが高校のときとか、同じクラスだったり したらこうは行かなかっただろう。 あんまりあっけなく終わったから 渉は正直なところ…

突然の告白

お引っ越しすることになりました。 渉の元に、浅海から いつもとすこし違うメールが届いた。引っ越し先の住所は彼女の勤め先 久田学園附属第二中学校の市内だった。 隣街といったところで、今までのお互いの 距離感からは、さほどの違いはない。その書き添え…

秘め事詳細※R18

リビングには食事のとき以外 家族が揃うことは少なくなってきた。 夕食が終わって、テレビの前から三々五々 散っていく男どもを横目に見ながら 洗い物をして明日の朝の下拵えをして 炊飯器のタイマーをセットした。 あ。1日終わったなと思う瞬間だ。 美月は…