鶴屋開店休業回転ベッド

あたしの創作世界の基盤。だけどとてつもなくフレキシブルでヨレヨレにブレてる。キャラが勝手に動くんだ♪

賞平と誠一郎

「おう。熊谷くん。」
誠一郎は先輩教師、生物の坂元教諭に
呼び止められる。
「なんですか?坂元先生。」
渡り廊下をすれ違いざま軽く挨拶のつもりで
振り向いたのだが、ことのほか相手の表情が
豊かなので誠一郎は足を止めて近づいた。
「なんか面白いことでもあったんスか。」
平べったくいうとニヤニヤしている。
三年先輩のこの生物教師は自分より背が高く
なかなかにいいガタイをしていて
常日頃からどんな風に体を動かすのか
見てみたいとも思っていた。
でもこのニヤニヤはなんだ。
さっぱりわからない。
そんな表情で見つめられるほど仲良くはない。
「熊谷くんさ。もうヤッた?」
は?なんの話ですか?
なおもニヤニヤしながら坂元教諭は
声を落として自分に近づいてきた。
「避妊は用心してマメにな。先に孕ませたら
目も当てられねえから。」
ニヤニヤがニタニタに変わる。
え?!
ついこの間、自分の部屋で加奈子の処女を
いただいたばかりだった。
記念すべき初侵入、生身で行きたかったが
グッと我慢してコンドームをつけた。
なんで、知ってんだ?
そりゃ、加奈子とのじゃれあいはオープンに
しているが、男と女を匂わすことはきちんと
押さえているつもりだった。
「坂元先生。な、なんのことですか。」
「気持ちはわかるよ。うちの女房も元生徒。」
「そうだったんですか?!」
あれ?なんかご同類と思って安心しちまったが
いいのかな。
「あのさ。熊谷くんと加奈子が卒業と同時に
結婚するかで賭けしてる先生たちもいるよ。」
え。
「麻生校長も渋い顔しながら結婚する方に
1000円賭けてたぜ。」
は?
「久田学園始まって以来の公然の不祥事の
承認状態だよね。なんか良くわかんない
んだけど。」
バレてるのにおとがめなし?って。
で、バレてるのも俺たちは気づいてなくて。
「君らが柔道部で揉めてたりとかいう情報が
入ると、相場が動くんだよね。賭けの。」
誠一郎は手放しに笑えないけど笑ってしまう。
「俺ももちろん、する方に賭けてるから。
ま、まず間違いないと思うけど。仲良くな。」
坂元先生は軽く右手をあげると行ってしまった。

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なんだったんだろう。いまの。




特別棟の前を通ると
中学の方の理科教師、美月が手を振る。
「誠ちゃん」
「おー美月!ひさしぶり。」
美月とは昼休みサッカーで仲良くなる。
女だてらになかなかのサッカーをしやがる
鋭い野生動物のような動き。
だが勝負を終えると本当にかわいい妹だ。

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「誠ちゃん。冷やかされたでしょ。」
「美月も知ってんの?」
「知んない人の方が少ないよ。」
まあ、そんなことならいいや。
俺は加奈子を大事にしていればいい。
「加奈子ファンが残念がってるよ。相変わらず
あいつは男前だと思うんだけど、分かるやつ
には分かるみたい。でもあたし見たとこ
あんまり変わったようすないよね。まだ
そんなに気持ち良くさせてない?うふふ。」
「美月。」
誠一郎は絶句してしまいただ真っ赤になり
俯いた。確かに気持ち良くはなかったろう。
でも、ちゃんと十分な愛撫で感じさせた。
初めは感じちゃう自分に我慢を課していた
加奈子を解き放つのはちょっとしたコツが要った。
手間はかかったけど、挿入以外ではきちんと
ケアできてたと思うけど。
そうか。加奈子、変わってないか。
すこしガッカリだが、あれ、なんの話だ!
「あれ?坂元先生いません?!」
加奈子がプリントの束をもって駆け込んできた。
準備室の廊下の窓越しに話していた二人が
同時に加奈子を見た。
加奈子は美月の会話の相手である誠一郎にも
目線を送ると、かわいく笑う。

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「コーチ。またあとで。」
「うん。あとでな。」
加奈子は準備室の賞平の机にプリントを置くと
またもと来た方へ小走りに駆けていった。
美月はゆっくり誠一郎に目線を戻す。
「前言撤回。ありゃ加奈子ファンがショック
受けるのも分かるわ。」
誠一郎は何故か勝ったような気持ちになった。





加奈子は俺に抱かれながら徐々に女になる。
あん。誠一郎。もう、あ。あ。
どうしたの?いや?
や、やじゃない、けど
けど?
ひ、ひぁあん!は、はあ、
やめてやろうか?
ばかぁ、あん、ばかいちろぅ。
なんだい?
すき。だいすき。
なにいってんだよ。俺もだ。愛してるよ。

挿れてやるとやっぱり痛そうにする。
俺は極力ゆっくり動く。
浅くしてやっているつもりなんだが
痛いのは痛いらしい。
はやく、俺のの形になれよ。
ずっとそこに俺の収めてやるから。
これじゃなきゃ良くない!くらいに
早くなっておくれよ♪

「バレてる?どうしてさ!」
加奈子に昼間の坂元先生のことを話す。
加奈子は本気でたまげているが
賭けにまで発展していると話すと笑い出した。
「校長先生が結婚する方に賭けてくれてるんだ
なんかすごいね。」
加奈子は嬉しそうだ。
て、ことは?
「加奈子は、どうするつもりなの?俺と
結婚してくれんのか?」
加奈子はイタズラっぽい目でクスクス笑う。
「わかんないんだ。じゃあ、わかんないままで
いいんじゃないかなあ?うふふ。」
「加奈子。結婚してよ。ずっと一緒にいて。」
加奈子はにっこりすると俺にゆっくりキスした。